『わっはっはー係』
僕は小学校三年生の頃に一度、転校している。
転校先の担任だった先生はまるで"金八先生"や"GTOの鬼塚"みたいな人で、何から何まで型破りでとても面白い人だった。
(先生は当時まだ20代だったと思う)

例えば、基本的に宿題は無し。(確か初日の宿題はいい夢をみることだった)
授業は、一時間目から五時間目まで図工。
道徳の時間は、ディズニー映画を観る。
放課後は、みんなで作ったクラスの歌のPV自主制作。 (コスプレして体育館でロケ)
給食は机じゃなくて、外で食べる。
ターザン、スーパージャンプという謎の体育の授業がある。(体育館の天井から飛び降りる)
授業参観は先生がコスプレしてコントのような授業。(他のクラスから保護者が押し寄せいつも満席)
勝手に、遠足に行く。
などなど、挙げればキリがないくらい面白いことばかりやっていた。
担任の先生だった小学校三年、四年生の二年間はとても楽しかった。
そして、何故か四年生の頃には、"伝説の四年二組"と呼ばれていた。
そんなクラスだから、"係"なんかも当然変わっている。普通は、鍵係とか図書係とかなんだろうけど僕たちのクラスは変わっているから普通の係なんてのは存在しない。
テーマはシンプルで、どんな無駄な事でもいいから、自分たちで誰かの為になりそうな係を作る。そして、出来た係を皆んなにプレゼンして賛成があれば可決されるみたいな感じだ。
確か僕は、『何でもやっちゃうぞ係』みたいなものを作った気がする。つまり、なんでも屋で頼まれたことは何でもやるみたいな感じ。
そんな、いろんな係があるなか秀逸だったのが『わっはっはー係』だ。 その名の通り、みんなを笑わせる係。
これは、クラスで一番頭がいい"Sくん"が作った係で、このセンスのいいネーミングにはこの時、正直めちゃくちゃ嫉妬した。
それまで、自分の係が一番イケてると思っていたけど、一気にサブいものに感じてしまったのを覚えている。
『わっはっはー係』は、クラスの雰囲気を明るく変える華のある存在だった。
ネーミングセンスといい、コンセプトといい本当に最高。小学生ながらに人を喜ばせる存在に憧れてしまった。
そんなこんなで僕は今、街なかで"Sくん"の代わりに『わっはっはー係』をやっています。"Sくん"は今ごろ、お父さんになって自分の可愛い子供を喜ばせていると思う。
僕は、まだまだ"がんばりましょう"だけど、"よい"と言ってくれる人もいます。
これからも『わっはっはー』で"あゆみ"続けて行きたいと思います。